自然に恵まれた環境の中、ストレスなく育てられている牛の乳を使い、品質管理にまでこだわったチーズ作りをしているドイツ・ケーゼレベレン社を訪問しました。バイエルン地方のチーズ料理とともにご紹介します。
1. 最低気温5度の10月のドイツ・バイエルン地方
日本のチーズ総輸入量のうち、ヨーロッパからは全体の1/5程で、中でもドイツからの輸入が一番多いのですが、ちょっと意外な感じがしませんか?
(出典:2008年財務省貿易統計データ)
ドイツは古くからの酪農国として、チーズの生産が盛んです。
今回は9月下旬、3日間の旅程でドイツのバイエルン地方にあるケーゼレベレン社を訪問しました。
ドイツ・ミュンヘン空港から車で約2時間南下するのですが、途中のバートバイエルソイーンには、こんなに水が緑色のダムがあります。これは水が濁っているのではなく、山からのミネラルで水がブルーグリーンに見えるのです。
南ドイツにはこんな山小屋風のホテルがあります。
標高7~800mにあり、箱根と同じような高さにあります。10月でももう朝の気温は5度にまで下がります。
2. 南ドイツのチーズ料理
前置きが長くなりましたが、ケーゼレベレン社のチーズ製造のことについて紹介します。 まず見てください!この雄大な広さの牧場を。
まずは南ドイツのチーズ料理をいくつかご紹介しましょう。 「バウアンケーゼ」というウォッシュチーズに、パン粉をつけて丸ごと揚げた料理です。チーズの右奥のお皿に入ったソースはクランベリージャムです。
ちょっと甘めのソースをつけて食べます。300gのチーズを使っていますから、ボリューム満点です。「ベイクチーズ」はワイルドガーリック(※)入りのチーズをオーブンで焼いています。パンにつけて食べるのが一般的のようです。
※「ワイルドガーリック」はラムソンズの通称で、チャイブに似た、ユリ科の植物です。やわらかい緑の葉っぱは生でサラダに入れたり、ペーストにしてパスタにしたり、ドイツ料理でよく使われるハーブです。味はにんにくというより ニラに似ています。
この2つの料理は、ケーゼレベレン社の社長の奥様が経営されているレストランのメニューです。
次に紹介するのは、ケーゼレベレン社の直営チーズショップ①でのメニューです。 チーズショップのイートイン席で食べることができるプレートには、自家製パンと数種のチーズともみの木でスモークしたハムがのっています。これ全てで日本円で400円位です。
チーズショップの雰囲気はナチュラルなイメージで統一され、ケースはもみの木で作られています。
別のお店(チーズショップ②)では、ワイン、シェリー酒、パンプキンシードオイル(かぼちゃの種の油)など地元の特産品も置いてあります。
3. ケーゼレベレン社のこだわりのチーズ作り
そしてストレス無く育てられている牛たちの表情を。
別の牧場もご紹介しましょう。
もうひとつ。
後ろの赤い屋根の建物は、ユネスコ世界遺産になっている「WIES KIRCHE(ヴィースキルヒェ/「ヴィース」とは「緑の土地」「キルヒェ」とは「教会」という意味)」という教会です。
これらの牧場で搾乳された乳は専用トラックで集められ、スルツベルグにある工場に運ばれます。
乳は農家ごとに官能検査をして、味に異常がないかチェックします。さらにトレーサビリティ(※)ができるように、サンプルを採取して保存・分析します。
※「トレーサビリティ」とは、『原料の履歴書』とでも呼ぶべきもので、食品の生産から加工・流通・販売までの過程を明確に記録し、商品からさかのぼって確認できるようにすることです。
乳の管理から製法までこだわったケーゼレベレン社だからこそ、ブランドにルードヴィヒ王の肖像を許可されているのでしょう。
ルードヴィヒ王のビアケーゼ