2泊3日の日本滞在という強行スケジュールの中、インタビューさせていただきました。 クームキャッスル社は、イギリス産のチーズを国内外で販売している商社です。
イギリスのチーズ事情などお話くださいました。

①日本へは何度目の来日ですか？
（ウーリー社長：写真右）先代の社長の時代からのお付き合いですから30年以上前になりますが、その頃から2年に一度位来日しているので、15回は超えています。 （ダリモアさん：写真左）私は初めてです。

②今回の来日の目的は？
当社からチーズを輸入してくれている各国の輸入会社さんを、今後どのようにサポートしていくか、つまりマーケティングプランの打ち合わせに来ました。このあとは、香港に向います。

③日本の印象はいかがですか？
すばらしい伝統と高いレベルの文化が混在した、他のアジアの国とは違う『特別な国』だと思います。
教育水準が高く、科学技術も進んでいるので国際的なブランドが多いですね。その半面、季節や自然を大切にする心、ヨーロッパではなくなりつつある年上の人を尊敬する心があります。 また、複数の宗教があると思うのですが、対立なく日本人がひとつにまとまっていると感じます。それと、どこに行ってもきれいですね。

④今日は百貨店を回ったと伺っていますが、感想を伺えますか。
ディスプレイ、アイテム数、商品構成、サービス、それに接客がどこの国よりもすばらしいです。

⑤お取扱いの主力商品は？
チェダーです。

⑥イギリス国内のチーズを仕入れる際に重視している点はありますか？
1975年当時、イギリスには9種類だけ、それも牛乳製のチーズしかありませんでした。2009年の今では牛、山羊、羊、水牛のミルクを使った750種類ものチーズがあります。このように急にアイテム数が増えた理由は、1985年にミルクの使用制度が自由化されたからです。実は、この750アイテムというのは、フランスより多いのです。
このようにまだ歴史の浅いチーズ生産者が多いので、チーズを仕入れるときには、どんな造り手なのか、農家の歴史や牧草地、製造方法について詳しく聞いて判断しています。知名度はあまりなくても、ストーリーとヒストリーを一番大切に思っています。

⑦優れた輸出業者として、2007年に女王から表彰されたと伺いましたが。
2002年にも表彰されているので、2度目の表彰でした。 輸出企業の中で、「5年連続15％売上増」「新商品投入」「社員採用」「環境対応」など複数の規準があり、それらをクリアした上でカテゴリー別に選ばれ表彰されます。
表彰の際には、女王陛下とジントニックを一緒に楽しみました。

⑧イギリスではどんなチーズが人気ですか？
圧倒的にチェダーです。
スチルトンは、年間の消費量のうち70％はクリスマス時期に集中しますが、チェダーは年間を通してよく食べられています。

⑨イギリスでは、どんなときにチーズを食べますか？
朝食やランチに、サンドイッチにしたりして食べることが多いですね。
もちろんシャンパンに合わせたり、お酒のおつまみにもします。

⑩ご自身が一番好きなチーズは何ですか？
朝食やランチに、サンドイッチにしたりして食べることが多いですね。
（ウーリー社長）3つだけ選べるとしたら、チェダー、サンタギュール、ブリーです。（ダリモアさん）私は、チェダー、シュロップシャーブルー、カマンベールです。

⑪日本のチーズファンにメッセージをお願いします。
朝食やランチに、サンドイッチにしたりして食べることが多いですね。
チーズにはワイン同様たくさんの種類があります。 チーズやワインは生きていて、常に同じ状態、常に同じ味わいではありません。 どんな風に作られたチーズなのか興味を持って、色々なチーズを試してください。 そして、自分の好きなチーズを見つけてください。できればワインと一緒に！

日本ではチーズ・オン ザ テーブルのみが取り扱っている人気の「ダブルデボンクリーム」と「クロテッドクリーム」は、クームキャッスル社の商品です。鮮度が大事なクリームを保存料を使わずに、冷蔵のままで冷凍せずに冷蔵のままで長期保存を可能にしました。 このおかげで、ダブルデボンクリームやクロテッドクリームは、英国内はもちろん、遠く日本にまで輸出が可能になったのだそうです。 また、2年後お目にかかるのを楽しみにしています！