イタリアの小さな集落で作られる、やさしい味のチーズたち。昔から伝わる地元のチーズだけを製造する、郷土愛あふれるこだわりチーズメーカーさんをご紹介します！

みなさんこんにちは！今回は、私も大好きなイタリアチーズ、｢クラバンジーナ｣や｢ラ・トゥール｣を作っているチーズメーカーさんをご紹介します。

Cheese on the tableでも大人気のこのチーズ達、繊細でやさしい風味が特徴。カゼイフィーチョ｢アルタ・ランガ｣さん自慢のチーズです。カゼイフィーチョとは、イタリア語で小規模のチーズメーカーのこと。イタリア北部・ピエモンテ州はクーネオ県南部のランゲ地方にアトリエをかまえています。

ランゲ地方といえば、緑豊かな丘陵地帯。その丘には一面ブドウ畑が広がっています。有名なところでは、白トリュフで名高いアルバや、赤ワインで知られるバローロ、バルバレスコなどの町があり、食いしん坊には魅力的な地域。そのランゲ地方でも、南部のやや標高の高い地域は高ランゲ地方（アルタ・ランガ）と呼ばれ、このあたりはもう丘というよりは山。そう、「アルタ･ランガ」さんはこの地域スバリの名前を冠した、郷土を愛するチーズメーカーさんなんです。

アルバの町から、くねくねと曲がった山の1本道を登ること車で約40分。山肌の斜面に沿って、小さな集落があります。道の両側にはヘーゼルナッツ畑が広がり、見知らぬ人が通ろうものならたちまち犬にほえられてしまいます。村の中で買物できるところは、なんでも屋さんの雑貨店が1件。イタリアならどこにでもあると思っていたバールも、どうやらこの村にはなさそうです。きっと隣の村にあるのでしょう。そんな静かで素朴な集落の中に、「アルタ・ランガ」さんのアトリエがありました。

立ち上げ当時はたったの5人。今では日本にも輸出できるほどになったものの、そんなに大きくはない工場で、手作りを大切に作っています。大規模場工場の大量生産では出せない、繊細な風味、ナチュラルでシンプルな味わいが魅力。

チーズの作り手、セニョール･メルローのこだわりは「伝統レシピ」。そして、「手作り」「無添加」。生まれ育ったランゲの土地の味を、イタリアはもちろん、世界中に伝えることが夢だそうです。クラバンジーナ、ラ･トゥールを始め、ここで作られるチーズは、みんな昔から地元に伝わるレシピばかりだとか。

どんなに時代が変わっても、郷土の味を愛する気持ちは変わらない。その熱い想いがチーズに詰まっているようです。 時代とともに消えてしまうチーズもある中、小さなアルタ･ランガさんの工場で手作りされるチーズ達は、イタリア各地のチーズ屋さんで、誇らしげな顔で並んでいました。そしてここ、日本でも。

セニョール･メルローさんたちの夢は、着実に前進しているようです。